もっと深刻な問題は「都市のスポンジ化」
人口が減るなかで空き家や空き地がランダムに発生し
街がスポンジのようにスカスカになってしまうことを言います。
1970年代ごろまでに建てられた家で空き家が増えています。
街の人口密度が下がると
多額の投資をしてきた下水道や道路などが無駄になり
小売店なども収支があわず撤退して
また人が減る負のスパイラルに陥ります。
スポンジ化は日本特有の現象で
高度経済成長期に都市部に若者が大勢やってきました。
結婚するとマイホームを求めて郊外に散らばりました。
その家を相続した子どもが放置すると空き家や空き地になります。
団塊の世代の持ち家の相続期を迎える2033年には
3軒に1つが空き家になるそうです。
しかし・・・その周辺では開発が続いています。
規制緩和により、それまで開発できなかったところに、
若い人向けの住宅や、相続対策用のアパートが大量につくられているのです。
そして「空き家」が益々増えています。
これから都市をどう再編していくのか?
世界でこれほど激しい人口減少が起きているのは日本だけです。
そもそも歴史的に見て、都市が大きくなる際に
農地が虫食いのように開発されたのは日本都市開発の特徴です。
日本は個人の土地の所有権が強く、都市計画がうまく機能しませんでした。
これが今のスポンジ化の問題へとつながっていきます。
都市の再編としては
街の中心に機能を集約する「コンパクトシティー」を掲げる自治体も増えています。
都市は拡大するときは30年くらいでバーンと大きくなってしまいます。
しかし小さくなるときは50年、100年といった時間がかかります。
そしてその時に、確実にスポンジが出てきてしまうのです。
この50年間〜100年間何もしないということは出来ません。
「空き家や空き地をどう活用していくか?」です。
これを「行政がやろう」とすると時間とコストが掛かります。
不動産業者さんを中心とする民間で進めてもらうしかありません。
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投稿者プロフィール
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井上幸一
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2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。
現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。
また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。
古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:
古民家 | | 2017.12.15