木を冷静に分析
木は生きて呼吸し、
温度や湿度の調整機能を持っています。
感触的に冬はやや暖かく夏はやや冷たくというのは、
外気にかかわらず一定の温度を保とうとしているからで、
人間の生理に心地よさをもたらします。
湿度についても同様で、
55〜60%の湿度を保つように吸排出して
室内環境を整えてくれます。
足などの膚と接しても、
体温を奪い取ることが少なく、
高い断熱性を持っています。
また、木は燃えるといいますが、
柱や梁などの太い木材は、
表面の1㎝程度炭化するだけで燃えつきることがなく、
火災時の建物全体の倒壊を最大限に防いでくれます。
電磁波や短い波長の光線・音を吸収して、
脳や神経細胞を刺激する害を防ぎます。
逆に、マイナスイオンを放散して
快適な室内づくりの立役者となります。
木を中心とする自然素材は、
不健康になる物質を一切放散しないどころか、
有害なものを吸収し、環境を整え、
健康を育てる働きを強く持っています。
特に、木は材面に現れる「ゆらぎ」の働きで、
自律神経を活性化させますし、
視覚や触覚にやすらぎやうるおいをもたらしてくれます。
木は、木材として使用されている間に、
自らの含水率を調整して最適な状態をつくり
樹脂を全体に含浸させるなどで材力を成長させます。
化学工業製品のように、
使用初めが最高の品質で徐々に劣化するのではなく、
逆に成長するのです。
太い材では特に顕著で、スギでは1000年前後、
ヒノキでは1500年以上の寿命を持ちますし、
板類でも100年以上、
ツキ板貼りの化粧合板でも数10年は十分に長持ちします。
塩ビシートのように10年程で色褪せ、
劣化することはないのですから、
耐用年数においても
極めて優れた材料であることがわかります。
木材を使わない理由は…見つかりません。
このほかに木材は、
香りを放散することで防虫効果を生んだり、
心地よさを与えてくれたりしますし、
材色のおだやかさや触感の懐かしさなど、
すべての働きを通して情操を育ててくれます。
投稿者プロフィール
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2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。
現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。
また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。
古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
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