木の「ケボニー化」

簡単に説明すると、 サトウキビやトウモロコシなど農業廃棄物から抽出した物質を 針葉樹材に加圧加熱しながら含浸させます。 柔らかい針葉樹材の細胞壁に染み込ませると重合して、 木質成分の一つヘミセルロースが増えたような状態になり、 広葉樹材のような硬い材質になります。 比重は何十%も高くなり、 木質は硬く、曲げ強度も上がり、 寸法安定性が増します。 腐朽や磨耗にも強くなるとされています。 この「ケボニー化」技術は 主にラジアータパインやスコッチパイン材をケボニー化して ウッドデッキや屋根、桟橋、変わったところでは ギターやカトラリーなどの食器類にも使われています。 腐朽や磨耗に強い木質素材としては、 表面に樹脂塗装をしたものや、 WPCと呼ばれる木粉にプラスチックを混ぜて 固めた複合素材がよく使わてきました。 しかし、 これらは木質というよりプラスチックです。 見た目もテカテカ光りますし、 手触りも木と似て非なるものです。 また、燃やす以外のリサイクルもできません。 同じく薬剤を注入した防腐木材なども環境によいとは言えません。 その点「ケボニー材」は、 色が濃く重厚な雰囲気となり、 手触りも木材そのもので、廃棄後もリサイクルできます。 戦後植林した針葉樹(杉)などの人工林が成熟してきました。 成熟した為今は花粉を大量に拡散しています。 反面 家具のほかフローリング、ウッドデッキなど 内装材、外構材などに使われる材は 広葉樹は成長が遅いので植林されることは稀です。 「ケボニー材」が悪いとは思いません。 しかし・・・(未来の子ども達の為に)本質を考えると 針葉樹を伐採して活用し 広葉樹を植林し育てる・・・のが正しいと思います。]]>

投稿者プロフィール

井上幸一
井上幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:木材  |    |  2017.05.07

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