日本の木を多くの方に知って欲しい

「長年不振だった林業に新たな動き。林業は成長産業になる!」

最近よく言われる言葉です。
今まで多くの番組・記事で
「安い外材におされて日本の林業は長く低迷してきた」
すなわち日本林業の不振は
「国産材より安い外材が大量に入ってきたため」
と言ってきました
これは間違いです。
「安い外材」に林業不振の理由を押しつけているだけです。
確かに
為替が変動相場制となり円高が進行し外材の方が安くなる時期はありました。
しかし国産材が売れなくなると、国産材価格も下がります。
おおむね国産材は外材より安く推移しています。
外材が売れたのは
長尺・大径木が多く使い勝手がよかったからです。
住宅建築の現場では外材より高くなった国産材商品が多いです。
何故安い国産材を加工すると外材商品より高くなるのか?
安いプレカットが原因です。
プレカットでは長尺物の桁が好まれるのです。
その証拠に「柱は国産材」の住宅建築が多いはずです。
継手をしなくてすむ・・・そのために長持ちしない外材を選びます。
よって「プレカットの住宅は長持ちしない」のです。
そもそも「金物で接合する」と接合部は結露するので腐朽菌が繁殖しますが
木組みは結露しないので「木の耐久性のある限り」持ちます
(水・虫がこないようにできれば800年くらいでしょうか?)
「手刻み=ハンドプレット」を推進する!
「若手大工育成」を推進する!
これは日本の林業の復活に不可欠なことです。
CLTこそが日本の林業の復活とされていますがそれは大きな間違いです。
国産材を大量に消費すれば解決するのではありません。
将来手間を掛けなくなった山は荒れ、山村経済を衰退させます。
(また詳しく書きます)
日本林業の最大の悩みは
住宅建築に国産材(桁)が使えない仕組みから消費が少なく価格が安すぎることです。
未来の子ども達の為に「平成の大工棟梁事業」3年目が始まります。
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投稿者プロフィール

井上幸一
井上幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:住教育  |    |  2017.04.27

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