先人の技術
最大浸水高約19.3mという大きな津波被害を受けた宮城県気仙沼市。
その気仙沼湾に面した階上地区・最知で
唯一津波に流されなかった家を建てた家があるそうです。
それは「大工さん佐藤仁さん(故人)が建てた家」なんだそうです。
『最知』地域で唯一津波に流されなかった家は、
海から50mほどの海岸沿いに建つ入母屋作りの邸宅。
東日本大震災当日は、巨大津波が高さ約4.0mの防波堤をやすやすと乗り越え
周辺の建物を飲み込んで1階天井部分まで浸水しガラス窓や障子等が破られたもの
家屋自体は傾くことなく津波の威力に耐え残ったそうです。
構造計算がなかった時代の「“大工さんの腕だけが頼りの家づくり」
家作りは「経験と勘」も大事です。
昔の大工は木が育った場所やその形を見て直感で
「これをどこにどう使ったら家が強くなる」ということが判断しました。
教本や方程式があるわけではないので
「木の材質と組み方次第で木はとても強くなる」は
師匠のやっていることを見よう見まねで吸収していくしかありませんでした。
今回津波にも家が耐えられたのは「家の重量」が大きかったのだと思います。
「師匠から経験と勘を見て学ぶこと・・・」
その土地に合った建て方、その土地に合った素材を選ぶことで
自然の脅威にも負けない頑丈な家を作ることができたんだと思います。
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投稿者プロフィール
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井上幸一
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2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。
現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。
また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。
古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:
住教育,
建築知識 | | 2018.10.01