少子化=高齢化社会=人口減少

2030年にはすべての都道府県で人口が減少し
2045年の日本の総人口は1億0642万人になります。
2015年の総人口が1億2709万人でしたから
今後30年で2000万人以上減少することになります
九州地方の総人口1320万人と
中国地方の総人口は750万人が消えるようなものです。
地方では3割減が当たり前になります。

ちなみに、2045年以降も人口減少は続き
47年後の2065年には8808万人
65歳以上の老年人口比率は38.4%となり、ほぼ4割が高齢者になります。
生産年齢人口比率は51.4%に落ち込み働ける人が2人に1人の時代になります。
こんな人口減少社会で日本はどうなるか?
1、デフレが続く
人口減少、高齢化社会の到来を考えればお金は貯蓄に回ります。
生活防衛のために無駄な消費はできません。
2、経済が縮小する
消費の中心となる人口が着実に減少していくことになります。
流行とか消費に興味がなくなった年金生活の高齢者ばかりの社会では
経済が縮小していくのは当然のことです。
3、チャレンジしない時代・国になる
若者の比率がどんどん減少して年寄り中心の社会になります。
チャレンジよりも安定志向が強くなります。
これは経済の縮小につながります。
4、不動産価格は下がります
日本の住宅価格は、2010年に比べて2040年には平均で46%下落します
資産価値がさがりますから個人でも数千万円は「消滅」していることになります。
共同住宅では積立修繕金が不足して、建て替えもできない物件がどんどん増えます。
欧米のように土地よりも建物の価値が維持されている不動産市場としなきゃいけません。
5、大学受験がなくなり青田刈りが始まる
経済的な理由から学費の安い地方の国公立大学に流れ
早稲田、慶応といった有名私立大学でさえも定員割れになります
塾・予備校も不要で教育産業全体が衰退します。
6、社会保障制度の崩壊
税収減と社会保障費の負担増になります。
1990年度の社会保障費は11兆5000億円、2018年度の社会保障費は33兆円。
10年間で10兆円ずつ増えています。
2040年には社会保障費は50兆円を超えることになります。
2018年度の税収は前年と比べて3兆円増えて59兆円。
縮小する経済の中で今後税収が増えていく可能性は低いくなります。
税収減で社会保保障費はどんどん膨らんでいくのです。

結局「人口減」が問題なんです。
その対策は1つしかありません。移民による人口増です。
現状移民の数は世界でみると
1位 米国      4662万人
2位 ドイツ     1200万人
3位 ロシア     1164万人
4位 サウジアラビア 1018万人
5位 英国      854万人
28位 日本      204万人
人口統計の常識からすると
一度人口減少が始まった国が、再び人口を増加させて現状回復させるためには
100年かかるそうです。
ロボットやAIによる生産性向上では人口減少の根本的解決にはなりません。
軽作業の仕事が減り「貧富の格差が広がるだけ」です。
人口減少社会の解決法として最も近道は「移民受け入れ」ですが
治安悪化、賃金下降を招きデフレを強める、
神社がモスクに変わったり、日本の文化を守ることが難しくなります。
 

安倍政権ではそれを「訪日観光客の増加」に活路を求めています。
日本人の年間消費額の平均は221万円、
訪日外国人の平均消費額は15万円です。
人口一人に対して観光客15人と同等の経済効果があります。
すなわち4000万人の訪日外国人観光客は
人口減270万人の効果があります。
今、訪日外国人の平均消費額を20万円にすることを政策としていて
それは2030年訪日外国人の目標6000万人になることで
人口減545万人を消すことになるのです。(数字上ですが)
地方は「観光に力を入れる」は正しい選択なんだと思います。
国もそれに力を入れています。

投稿者プロフィール

井上幸一
井上幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:住教育  |    |  2019.05.14

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