メンテナンス

日本の伝統的な木造住宅は

徹底的にメンテナンスを要求する 世界でも稀な存在です。

日本の樹を育てる湿潤な気候は 木も腐らせてしまう。

それ故に手入れが必要となります。

心ある手入れが行われれば 使いつつ、

住みつつ新しい価値を 創りつづけることができます。

きちんと拭き掃除がされていれば

今も残る民家の美しさがそれを実証しています。 と、

『道具と手仕事』著村松貞治郎 にあります。

俳句の季語に 家屋のメンテナンスに

関わる言葉が多くあるのをご存知ですか?

「北窓開く」(春)

「北窓塞ぐ」(冬)

「炉開き」(冬)

「炉塞ぎ」(春)

「垣繕う」(春)

「障子洗う」(秋)

「障子貼る」(秋)

これらが年中行事となって四季の移ろいとともに

生活のアクセントとなってきます。

最近はその季節感を失いつつある。 と、

同時にメンテナンスも消えつつありますね。

先人が繋げる伝統的な日本の木造住宅には

まだまだ大切なコトがあるような気がします

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投稿者プロフィール

井上幸一
井上幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:メンテナンス  |    |  2017.02.15

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