木造住宅のお話し 5

家を建てるのには、木材という資源は欠かせないものです。
あたり前のようにあって当然のものと考えますが、
木材のことは知らないままにすませてしまうことも多いようです。
現代になって木材の扱い方も意外と進化しています。
そして知るほどに魅力的な木材の秘密に迫ってみました。

構造材としての木

木材は1棟の住宅にどれくらい使われているものでしょうか。
日本木造住宅産業協会の約4万棟のデータによると、
平均約39坪の建物で使用されている木材量は23.7m3とあります。

最近では床の下地材としての面材も厚い材を使い傾向にあり、
この中で構造材の割合は7割ほどになります。
柱や梁の間に壁を作るための下地となる羽柄材と呼ばれる材は構造材ではありません。
フローリングや仕上げ材などの木材はここに含まれていません。

また、それぞれの部位に使われている国産材の割合も図中に表してみました。

柱や土台などではおおよそ半数に国産材が使われています。

このように家の強度と耐朽性に大きく関わる構造材として木材は使われていますが、
欠点はバラツキがあることです。
木材は工業製品とは違い、自然の中で育ってきたもので、
環境によって条件も違う上に、個性もあります。1本1本の木目が違うように、
強度にもバラツキがあります。
そのために木材は日本農林規格(JAS)によって強度が等級区分されています。

(おうちのはなし より)

投稿者プロフィール

井上幸一
井上幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:建築知識  |    |  2020.02.20

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