家は夏を旨とすべし 1
家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。」
吉田兼好『徒然草』の一節です。しかし
「家づくりは冬を旨とすべし」と公言する東京大学准教授前真之氏。
前准教授は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
温度も湿度も高く蒸し暑い「日本の夏」においては、
通風や扇風機では限界があり、エアコン冷房が唯一の命綱。
エアコンで効率良く冷房できる間取りが考えられていない。
冷房が本当に必要な空間だけを間仕切ることができない。
しかし
冷房の消費電力は現状でも目くじらを立てるほどではない。
いかなる時も使ってはいけないような「危険物」ではないのである。
必要な時につつましく冷房できるという
「次善の策」は絶対に必要である。
吉田兼好だって、
700 年後の人たちが
文明の利器をかなぐり捨てて苦しく暮らしていると聞いたら、
さぞビックリするだろう。
昔は昔、今は今。
21世紀における真の「夏旨」とは、通風と冷房の「2段構え」である
人間は汗が乾く限り暑さには強いが、低温は我慢することができない。
体毛が薄い人間は冬に放熱量を抑えるすべが限られるので、
気温が20℃を切れば寒低温は我慢することができない。
人間は毛皮を脱ぎ捨て暑さに特化した生き物。
寒さにはからきし弱いのだ。
東京は、夏の暑さでは香港やジャカルタ、マニラ並みに高い。
一方で、冬はパリやベルリンと大して変わらない。
日本では「夏は熱帯」「冬はヨーロッパ」という両極端の気候が、
1年の中で否応なしに繰り返されている。
日本に暮らすというのは、結構「過酷」なことなのだ。
こうした気象条件と人間側の事情とのギャップを考えれば、
日本の大部分の地域において冬の寒さへの備えが
何より重要なことは明白である。
もちろん、日本の夏もかなり「手強い」ので無視できない。
しかし、だからといって冬を軽視するのは絶対にNG。
夏と冬のどちらかとなれば、まずは「冬を旨とすべし」である。
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日経より抜粋
明日この続きを書きます
投稿者プロフィール
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2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。
現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。
また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。
古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
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