住宅寿命

木造住宅の「寿命27年」の根拠とは、実は「取り壊した住宅の平均築年数」です。 現実には、築40年・50年経過してもまだ取り壊されていない十分に使用できる建物も多く有ります 次に「寿命30年」の根拠。 これは「ストック(現存する住宅数)数をフロー数(新築数)で割ったもの」 で「サイクル年数」という概念を使い、便宜的に求めたもで これも木造住宅の寿命を正確に表しているわけではない。 マンションの「寿命37年」の根拠はやはり「建て替えをしたマンションの平均築年数」です。 築年数がもっと経過したマンションはたくさんあり、これもやはり寿命を表したものとは言えません。 住宅の寿命については多くの研究があります。 早稲田大学の小松教授らが行った「建物の平均寿命推計」の最新調査(2011年)によれば、 人間の平均寿命を推計するのと同様の手法を建物で採用した場合、 木造住宅の平均寿命は64年としています。 マンション(RC/鉄筋コンクリート造)の寿命は 例えば、 ・117年(飯塚裕/1979「建築の維持管理」鹿島出版会)、 ・68年(小松幸夫/2013「建物の平均寿命実態調査」)、1 ・20~150年(大蔵省主税局/1951「固定資産の耐用年数の算定方式」)など。 実際には配管の種類や箇所にも大きく左右されます。 適切な点検や修繕を行う慣習がなかったこれまでの状況で推計したのが上記の寿命であり、 所有者が意識するだけで格段に寿命は伸びるはずです。。]]>

投稿者プロフィール

井上幸一
井上幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:住教育,古民家  |    |  2018.05.15

関連する記事

pagetop