古民家を直すお金について
初めまして、古民家の専門家、コミンカニストの川上 幸生と申します。これからこちらにも色々と古民家に関する情報を投稿していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
第1回目の投稿は、古民家を自己資金でなく融資を受けて直していく方法について。普通住まいを直すためには銀行などで住宅ローンやリフォームローンを使うのが一般的ですが、古民家の場合その資産価値や耐久性や耐震性が不明確なために今まではローンがおりませんでした。つまり自己資金でしか直せなかったのです。そこで全国古民家再生協会はフラット35という国の融資制度(住宅金融支援機構)を利用できるようにしました。
古民家を購入して改修する場合の融資、フラット35の融資基準について。
全国古民家再生協会事業者会員であればフラット35の融資手続きに関して今まではコンクリートの基礎などを新たに造らなければならなかったのですが、全国古民家再生協会で定めた「再築基準」と呼ばれる伝統構法で承認された改修方法を使うことで、伝統構法を在来工法に改修せずとも融資を受けることができます。
注意点は、フラット35は既存住宅の購入時に使用するもので、すでに所有済みの物件のリフォームは対象外となります。
伝統構法に於けるフラット35融資基準(住宅金融支援機構承諾内容)
以下の条件を確認することで石場建て基礎のままでの融資が可能となる。
(これ他の団体ではできません)
1、軒の出が900mmかつ雨樋設置かつ雨落ちか犬走りに雨はね防止の砂利敷きや芝生がある。
2、床下換気面積計算の実施
3、床下の地盤が周囲より高くなっているか確認(床高さ制限なし)
4、床下木材の種類を全国古民家再生協会の事業者会員である古民家鑑定士か古材鑑定士が確認など、
そのほかにも浴室の防水(ユニットバスへ改修するのであまり問題ではない)などもあるが、耐震以外はさほどハードルは高くない。
耐震については新耐震基準同等への引き上げが必要で、全国古民家再生協会が進めている時刻歴応答解析法は都道府県ごとに取り扱いが異なっており、事前にフラット35の申請先(確認検査機関等)への問い合わせが必要。耐震適合証明書の発行は必要になります。
新しく古民家の購入をお考えの方は全国にあります古民家再生協会へお問い合わせください。
投稿者プロフィール
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コミンカニスト・建築士・インテリアコーディネーター・古民家の調査と再築著者。
1967年大阪生まれ。阪神淡路大震災を経験し、復興活動後バイクのツーリングで立寄った愛媛県松山市へ移住。資産価値の落ちない街並みガーデンビレッジ北川原を始め南欧風住宅ヴィンテージホームブランドの住宅建設、伝統的な日本の住まい古民家の保存活動のための資格制度創設や修復のための基準作りなどを行なっている。また消費者が自分に必要とする住まいを選択できる知識の習得を目指し住教育を推進する活動も。
一般社団法人住まい教育推進協会 会長
愛媛インテリアコーディネーター協会 相談役など
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