フリーメンテナンスは死語となった

20〜30年前にフリーメンテナンス住宅と宣伝されていた住宅は、本当に何もしなくて大丈夫なのでしょうか。

最近の住宅では「フリーメンテナンス」という謳い文句は聞かなくなりました。

公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが発表した、2018年度住まいのトラブル相談についての報告書によると、新築・戸建てとリフォームについて、それぞれ不具合相談の中で「ひび割れ」や「剥がれ」がもっとも多く、

次が「雨漏り」で約15%となっています。

ひび割れや剥がれ、雨漏りで、建物内部に水分が浸透すると建物の劣化や白蟻の被害を受ける可能性が高く建物の構造に影響します。

築12年の住宅で、3階東側のベランダ防水が切れ、真下の2階2部屋の天井と壁紙に雨染み等被害がでて不動産業者紹介の工務店が見にきましたが、原因はわからないと被害部分を修繕しましたが、

雨漏りが止まらず、その後建築士にインスペクションを依頼して調査したところ原因が「ベランダ防水切れ」と判明し、ベランダの防水工事をしたら雨漏りが止まったそうです。

雨漏れや漏水を起こさないようにするには、定期的な点検、アフターメンテナンスを継続し、早めに防水層を維持することが大切です。

お客様でできることで言えばベランダを掃除する時に苔や藻は生えていないか、外壁と床の防水層に切れ目がないかなどを自分で確認する必要がありますね。

 

一般社団法人 住宅長期支援センター提供の情報をもとに原稿を書きました。

投稿者プロフィール

川上幸生
川上幸生
コミンカニスト・建築士・インテリアコーディネーター・古民家の調査と再築著者。
1967年大阪生まれ。阪神淡路大震災を経験し、復興活動後バイクのツーリングで立寄った愛媛県松山市へ移住。資産価値の落ちない街並みガーデンビレッジ北川原を始め南欧風住宅ヴィンテージホームブランドの住宅建設、伝統的な日本の住まい古民家の保存活動のための資格制度創設や修復のための基準作りなどを行なっている。また消費者が自分に必要とする住まいを選択できる知識の習得を目指し住教育を推進する活動も。
一般社団法人住まい教育推進協会 会長
愛媛インテリアコーディネーター協会 相談役など
category:古民家  |    |  2020.03.05

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