東京駅から考えてみる

東京駅は松杭が使用されていました。
東京駅の場合は、
1万本の松の杭(長さ8m)で
支えられているということがわかりました。
建物を支えるのに、
木の杭を使うことは、
今で言う鉄筋コンクリートの杭を使っているのと
全く同じで松は「松ヤニ」が出ることで水分を弾き飛ばし、
腐朽を防ぐとも言われています。

東京は、皇居(昔の江戸城)以東は
埋め立て地であり東京駅も杭が必要であり、
そこに打たれた松の杭も、
さすがに木材の表面は劣化しているものの
ほとんど腐食が進んでいなかったと言われ内部には
腐朽はなく見られず耐久性を実証することになりました。
腐朽するには「腐朽菌」の繁殖が必要になります。
繁殖条件は・・・
(1)水分
(2)空気
(3)温度
地中ということで空気に触れることが少ない点も
腐朽しなかった要素かもしれません。
こうした松杭を始めとする木杭は、
他の杭に比べ工事がしやすく
安価で支持力もコンクリートに比べ大差はなく、
建物解体後の撤去・処分も可能です。
今後、住宅などの小規模建築でも増えていけば、
日本の林業が活性化し山が循環することにも
寄与できるのではないでしょうか?
先人達が実際にした事例を
今の時代でも活かしていくこと・・・大事だと思います。
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コンクリートと木材のホントの強さの違い・・・・
前人達の知恵は凄いです。

投稿者プロフィール

井上幸一
井上幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:木材  |    |  2019.07.27

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