曲り梁
大工と聞くとどんなイメージがわきますか?以前は鉋かけしたり蚤を使って切り込んだり鋸で木を切ったりする姿が目に浮かぶのでは…
しかし、現在はプレカットと言って事前にカットする事で工期を短くしたりするのが主流なのです。大工さんが墨付けして手で刻んだりする姿は少なくなりました。
直材ばかりの今の家だとプレカット(機械で殆ど工場で加工すること)で良いのかもしれません。でも曲り梁を直材に製材すると木の繊維が遮断され本来の木の外力に対する抵抗力も発揮出来なくなります。そこで、先人たちは曲り梁を曲がったまま生かして使ってました。
それも、交互に組み合わせ木の特性を十分に発揮出来る知恵をあみだしてます。例えば杉などは人の手によって植林されたもので最後まで人のお世話になる事になります。
一方、曲り梁は自然のまま育ち台風など自然の荒波で育つ事で気候風土に耐え粘りある材となって大きくなってます。特に梁は小屋組に使われています。曲り具合も2つと同じものはないのです。
以前の大工さんはこうした曲り材を上手く組み合わせ木のめり込みによる働きを最大限に活かす工法で家造りをしてきました。こうした技術はやはり、大工職人が生かし残していかないといけません。昔の大工さんはホントに凄いなと思います。
今のプレカット工法が悪いとは言いませんが、伝統技術で建てる家ほど長持するものはないと思います。