先人の経験を生かす

【大津浪記念碑 】

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高き住居は児孫の和楽

想(おも)へ惨禍の大津浪

此処(ここ)より下に家を建てるな

明治二十九年にも、昭和八年にも津浪は此処まで来て

部落は全滅し、生存者僅(わず)かに前に二人後に四人のみ

幾歳(いくとし)経るとも要心あれ

「此処(ここ)より下に家を建てるな」。

先人の警告を刻んだ石碑が立つ宮古市重茂の姉吉地区。

沿岸部の家々が津波で押し流された宮古市で、ここは建物被害が1軒もなかったそうです。

姉吉地区は、明治三陸大津波(1896年)で60人以上が死亡し、生存者は2人だけ。

昭和三陸津波(1933年)では100人以上が犠牲になり、生き残ったのは4人。

2度とも壊滅的な被害に遭ったようです。

石碑は昭和三陸津波の後、住民の浄財によって建てられ

津波は今回、漁港から坂道を約800メートル上った場所にある

石碑の約70メートル手前まで迫ったといいます。

津波は、湾の堤防を打ち壊し、コンクリートの巨大な塊が浜に打ち上げられ

樹木は根こそぎ倒され、岩肌が激しく削られました。

今、復興対策として約1兆円を掛けてスーパー堤防を造ります。

この「石碑」は費用として50万円くらいでしょうか?

「人は自然に勝てない。自然と戦うのでなく共生すること」

の方が正しいと感じています。

投稿者プロフィール

井上幸一
井上幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:文化・伝統  |    |  2015.12.29

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