木造住宅のお話し 6

家を建てるのには、木材という資源は欠かせないものです。
あたり前のようにあって当然のものと考えますが、
木材のことは知らないままにすませてしまうことも多いようです。
現代になって木材の扱い方も意外と進化しています。
そして知るほどに魅力的な木材の秘密に迫ってみました。

グレーディング

木材の強度を等級区分することを、グレーディングといいます。
いわば強度に合わせてグレード分けするのですが、使われているのは統計学です。

昔は実際に使われている木材の強度を試験したデータは少なかったのですが、
現代になって抱負にデータが集められました。
以前は欠点のない試験体で強度を測定し、
強度を定価させるような要素をマイナス評価して強度の分布を想定していました。

今でも目視による、等級区分は生かされています。
その指標には、
節・丸身・目まわり・貫通割れ・繊維傾斜・平均年輪幅・腐朽・曲がりなどがあります。
丸身は丸太の一部が残されたもので、目まわりは年輪に沿ってできた割れ、
繊維傾斜はいわゆるねじれです

これに対して、グレーディングマシンという機械に通して木材の強度を区分する方法があります。
機械に通る時に力を加えることや、木材を叩いてその音を分析して強度を測ります。

さらに平均値と5%下限値を設定して、統計的に木材の基準強度を定め等級区分されています。
この基準強度が、許容応力度の構造計算に使われます。
時、無等級材にも基準強度は設定されています。

木材は科学的にも安心して使える材料になっているのです。

(おうちのはなし より)

投稿者プロフィール

井上幸一
井上幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:建築知識  |    |  2020.02.21

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