省エネを考える

2013年に改正された「省エネ基準」。

建物全体の省エネルギー性能や 断熱性能の基準値が改められ、

2013年10月に施行、

そして2020年には義務化が目指されています

「断熱と省エネは分けて考えるべき」です。

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日本は伝統的に「夏を旨とする」を基本としてきました。

日本はそもそも

暖房をしないエネルギーを使わずに我慢する国です。

海外の「家中を暖房する」とは大違いで

省エネという観点からみたら立派な省エネをしてきました。

海外などでは断熱すれば省エネにつながるのが常識です。

それは住まいの全館暖房が徹底されているからです。

トイレに行こうが、

バスルームに行こうがガンガン暖房で暖めています。

トイレの便座暖房などは「日本だけ」です。

そのため、建物自体の断熱性能を上げれば、

当然暖房にかけるエネルギーを

大きく削減できるので 省エネ効果も高くなります。

日本は、家の中の温度に関して寒くても

全館暖房などはせずに我慢してしまいます。

トイレやバスルームなどの非暖房室で

最低温度10℃以下も当たり前です。

そのため、 ヒートショックのような

命に関わる問題も多発しているのです。

夏場に熱中症になるケースには、

『なぜエアコンをつけないのか?』

となりますが

ヒートショックになるケースに、

『暖房すればいいのに……』にはならない。

「改正省エネ基準」では

断熱と省エネは分けて考えられています

「省エネ」はあくまでもエネルギーのやりくりの話で、

「断熱の話」は

あくまでも健康を守るため。意味合いが違います。

断熱の目的までも省エネとして捉えられてしまうと

家づくりの際にも混乱が生じてしまいます。

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投稿者プロフィール

井上幸一
井上幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:建築知識  |    |  2017.01.04

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