新しい価値

「今回のコロナの衝撃はリーマンのマグニチュードを超える」
ということは不動産市場(業界)ではコンセンサスが取れているようです。

その中で最も打撃を受けるのは
超豪華マンションやリゾート物件といったラグジュアリーの領域です。
価格帯の高いものほど下げ幅は大きく
商業施設・ホテルといった運用型アセットは
マンション以上に厳しくまたオフィスも同様です。
すなわちバブルが弾けるということです。
今はとにかく「貯金を持っておこう」というマインドが勝っています。

リーマンのときは半年で不動産の値崩れが始まりました。
今回も同じような時間軸で考えると・・・この夏〜秋
売り圧力がかかった企業から「投げ売り」が始まり、
不動産価格は加速度的に下がっていくはずです。

難しいのは回復力はどうなるか?ですが
2年くらいは最低かかると考えられています。
今回の震度の大きさからすると
不況が3~4年続いてもおかしくない気はします。

人々は自宅にいても仕事ができることに気づきました。
今後は街のあり方、不動産のあり方が変わってきます。
住宅街から毎日1時間、満員電車に乗って通っていたのは遠い昔の話。
そうなると不動産の評価基準も変わります。
都心の一等地はオフィスに近いから価値が高かったのですが、
今後は、生活の中心が自宅周辺になるはずです。
都心と郊外の価格差が縮んできます。

在宅勤務の割合が増えて、家族が自宅にいる時間が増えます。
家は寝るだけの場所ではなく
近所の人との付き合いなど住環境のウエートが高まります。
治安・自然等も重要な要素で
都心までの距離や駅までの距離は今ほど重視しなくなる気がします。

コロナ後も日本の人口減少は止まりません。
これから人口がさらに減り、60年後は確実に今の半分の人口になります。
家が壊れていくのは人口減少よりも遅いので当然、家はどんどん余ります。

新築が増え続けることは健全ではありません。
新たな社会にフィットする商品の提供が重要で
業界全体がダメになるという話ではありません。
大混乱の後には、はっきりと勝ち負けがつくのが常です。

これからの時代にフィットする建築
「古民家」という市場を生み出してきた私たちは
「空き家(古民家)」という新しい価値を生み出していきたいと思っています。

それが【地域活性化=未来の子ども達の為】になると確信しています。

投稿者プロフィール

井上幸一
井上幸一
2001年 持続可能な循環型建築社会の創造を目指し古材FC事業を立ち上げ全国展開を開始する。
古材の利活用から古民家を地域の宝と捉え古民家の利活用をおこなうための事業として古民家ネットワークを創設。
「古民家鑑定士」「伝統再築士」を始めとする資格を創設し全国各地で古民家を取り扱う人材育成に力を入れ、古民家鑑定士は全国に1万人を超す。

現在は、古民家の安心と安全を担保するために基準を創り、ソフト面とハード面を兼ね備え全国各地で講演活動を実施している。

また本年、「内閣官房歴史的資源を活用した観光のまちづくり専門家会議専門員」として全国各地の地方自治体のコンサルティング活動も行う。

古民家ツーリズム推進協議会事務局長として、全国で古民家ツーリズムの推進もおこなっている。
category:暮らしの知恵  |    |  2020.05.19

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