住教育

「衣食住」という人の営みの文化で、選択する機会が少ないのは「住」ではないかとおもいます。
衣服や食事は毎日いろいろな用途や目的、体調など選び日々に生かしています。
「住まい」を選ぶ一般的な機会は、大人になって家を出た時、世帯を持った時、家を建てる・持つことを考えた時、リタイヤした時くらいで、毎日は同じ家の中で無意識に何気無く過ぎているようです。

だけど振り返って見た時、家というものは、離れるときはさみしく、帰ってきたらホッとするとか、懐かしいと感じたり、
解体したり、人手に渡るなどすればなぜか涙が出るくらい私たちに身近なものだったことに気付きます。
毎日意識はしなくても、いつもそばにあるものだったからではないかと思います。

もし「住」にもっと選択する機会があったら・・・
より毎日は豊かに生かされるのではないかと考えます。

例えば、これから家族が暮らす家はどんな作りがなされ、どんな材料で建てられるか、材料の特徴や家とはどんなものかを学び考えてみる。
その先には理想の家族の在り方が見えているはずです。
そうして得た住まいは、もちろん新しい暮らしを作り出します。
一つ一つの暮らしの楽しみが「住」の選択です。

住まいについて聞いてみると、みんな自分の答えを持っています。
誰もがそれぞれの暮らしを持っているからです。

他の人の意見を聞くことで、どうしようと思っていたことの事例やアドバイスを持っていたりします。
人の意見を取り入れてより良い暮らしに生かすことは、地域のコミュニティのようです。
本当のものに見て、触れて、感じたら、大切なことがなにかきっと知ることと思います。
毎日は同じ家の中で、意識して喜びを選択して生きる。
そうすると、人生が変わるくらい「住」が日々に生きてくるのだと思います。

投稿者プロフィール

山城京子
2015年より住育学校福岡第一校を開講。家を建てよう・家を持ちたいと思う消費者に住まいの「本当のコト」を伝えている。また住育コンシェルジュとして、住まい手の求める造り手との架け橋を行なっている。
昨今では、空き家の利活用や発生抑制に向けて、地域でセミナーやファシリティトを行い、住教育の推進に力を入れて活動中。
一般社団法人住教育推進機構福岡支部長
一般社団法人全国古民家再生協会福岡第一支部会員
古民家鑑定士
古民家ツーリズムまちづくりプランナー
category:住教育,暮らしの知恵  |    |  2020.06.16

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