下地の美学
家の壁の下地材として、多く使用されていた竹。
丸い竹を割いたものを、わら縄で編んでいきます。
それが竹小舞です。
竹木舞は土壁や漆喰壁等の下地材で、今やDIYで人気の左官屋さんのお仕事です。
竹はタケノコで有名な孟宗竹を思い浮かべますが、建築で使用される竹は真竹です。
真竹は他の竹よりも繊維の密度が高く、そして柔軟と言われています。
剣道の竹刀にも真竹が使われていますから、柔軟性に優れている素材ということが分かります。
竹小舞が全盛のときには、小舞屋さんという職業もありました。下塗りの荒壁まで塗る小舞屋さんもいました。
左官工(左官屋)は、木の下地材(木ずり)を作っていたので壁大工とも言われていたようです。
今は、小舞だけを行う職人さんも殆どいないので、住宅では左官屋さんが全て行います。
左官の仕事は下地次第で、仕上がりの出来も違うようです。
左官には下地の美学という言葉があり、その延長上にあるのが下地窓です。
奥が深いですが、家は造り手、住まい手の気持ちが繋がると、芸術を取り込むことも可能です。
下地づくり・下地の美学、それは家づくり、人づくりの全てに共通して見えます。