隠された落とし穴

ここ一・二年の間に雨仕舞に関する屋根の工事や配管設備の水廻りの相談が、
増えてきました。
雨仕舞の相談では、近年の豪雨や台風での被害を心配される方、
棟が一部破損され、これからの時期を心配されている方など。
また、雨戸の付いていない二階の窓にシャッターを取り付けて欲しいとの相談もありました。
昨年の台風の報道を見て、用心のためにとのことでした。

そして、最近増えている相談に、雨漏れや配管設備などの水漏れ(漏水)があります。
この全ての相談に共通してるのが、築30年から40年程の住宅ということです。

つい最近も、お風呂を入ると外の壁から水が漏れてしまうとの相談を受けました。
このお風呂は、タイルなどが使われている在来工法のお風呂で、建築当初から使われている浴室です。
そのためか、劣化が原因でタイルの空いている目地から水が流れ出ているのではないかと判断されていましたが、昭和50年代の住宅になると水廻りなどの設備も充実され、給水管や配管なども壁の中に隠蔽(隠蔽配管)することが、普通になっています。
そのことも考慮し、外壁を切断しての状況確認です。

その結果、温水の給水管(銅管)から漏水していることがわかりました。
原因がわかれば、工事の方向性が決まってきます。
しかし、その原因の発症に気付くまでに時間が掛かかったり、気付かないでいると、傷は大きくなっていき費用負担も大きくなってしまいます。
現在の住宅だけではなく、築30年から40年の住宅にも、隠蔽配管や柱を壁の中に入れる大壁工法も良く見られます。
隠すことでのメリットもあると思いますが、その分のデメリットがあることも知っておくことが大切ですね。

庭のお手入れと一緒に家の周りをチェックする。
強い雨が降った後に、天井を見上げる。
ちょっとした意識や行動が家の長持ちに繋がります。







投稿者プロフィール

金子和
金子和
一般社団法人住教育推進機構 神奈川県支部長
住育学校 横浜金沢校 学校長
category:住教育  |    |  2020.06.22

関連する記事

pagetop