家造りの今昔

人は生まれ終えるまで色んな経験をします。その過程の中で家を建てる人もあれば、借家、マンションなどそれぞれだと思います。団塊世代の人たちは家造りと言えば大工さんに依頼することしか考えられなかったと思います。しかし、今は建築メーカーが展示場を持ってPRするのが主流かと思います。

もし、今あなたが住まいを持とうとしたらまず何をしますか? 多分ハウスメーカーの展示場に取り敢えず行くしか頭に浮かばないかと思います。デザイン性で決めるのか、長持ちする家を望むのか選択肢は千差万別

つい先日こんな事がありました。あるハウスメーカーの下請をされてる大工さんと縁あってご一緒したのです。その大工さんはベテランの技術もあり手刻みできる人です。ところがプレカットでのやり方をされてあるのです。何故技術あるのに今のやり方をされてるのかを聞くと、その大工さん曰く楽だし早く出来て勝負が早いからだと言われます。

全ての大工さんがそうだと言えませんが以前は家造りは一大イベントとして周りの人達が自分ごととして関わり、いわゆる地域扶助の考え、想いでもっていたのです。

安かろう、早かろうは今までの考え方だと思うのです。そろそろ質の時代だと思います。家造りは流行に流されずちょっと立ち止まり深呼吸した上で考えても良いのかもしれませんね。

投稿者プロフィール

井上 静夫
井上建築 代表
一般社団法人福岡県古民家再生協会 代表
資格: 二級建築士、危険度判定士、伝統資財施工士、古民家鑑定士1級
経歴: 小・中学校卒業後、大工修行に入り6年後独立する
座右の銘: 継続は力なり
尊敬する人: 宮大工の西岡常一棟梁
尊敬する理由: 大工としての心意気が好きだから
特技: 剣道
category:建築知識,暮らしの知恵,木材,雑学  |    |  2021.02.09

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