墨書き

先人たち(以前の棟梁)は自分の仕事を次に関わる大工に証として『墨書き』として書き残したものです。つまり、自分の仕事を次に関わる大工に技術を残してました。その大工はもっと良い仕事をすることでまたの関わる大工が自分はもっとこれよりいい仕事を残す。そんな気持ちで家造りをしたものです。

先人たちはそうして日本の住文化を残してきたといえます。地震国の日本掘立柱から高床式そして、礎石の上に建てる建て方へと変遷

ここへ来て今の建築はどうでしょう。 大工の技術は手刻みから機械で切り込むプレカットへと変わりました。効率的といえるのかもしれませんが、果たして長持ちするのでしょうか?継手、仕口も同じ切り込みなんです。日本の住まいは目利きの大工が木の癖を読み取り一本いっぽん手刻みする事で長持ちしてきたといえます。

今の日本の家が短命と言われる由縁は先人たちの技術が生かされてないからだといえます。それに、材の強制乾燥も短命の一因なのです。今、先人たちの技術を学び生かす家造りをしたものです。

投稿者プロフィール

井上 静夫
井上建築 代表
一般社団法人福岡県古民家再生協会 代表
資格: 二級建築士、危険度判定士、伝統資財施工士、古民家鑑定士1級
経歴: 小・中学校卒業後、大工修行に入り6年後独立する
座右の銘: 継続は力なり
尊敬する人: 宮大工の西岡常一棟梁
尊敬する理由: 大工としての心意気が好きだから
特技: 剣道
category:伝統素材,建築知識,暮らしの知恵,木材  |    |  2021.01.27

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