知って、住むこと
築1300年の法隆寺(奈良)は、世界最古の木造建築物と言われています。
日本の気候風土は、温暖湿潤気候にあり、多雨多湿です。
木は、水に弱く、湿気で腐ったりするものです。
また、日本は地震も多い国です。
そういう環境下にあって、世界で最も長持ちしている木造の建造物が日本の建物なんです。
1300年前に1300年もつ建築技術があった・・・。
大工職人の「墨付け」や「刻み」といった技術もそうですが、木のクセを読む技術が長けているからこそだと思います。
また、湿度の高い環境で素材と上手に付き合えることにあると思います。
もちろん木だけでなく、壁や屋根や建具、内装なども、どれも同じように技術や扱い方があります。
日本で建てられる新築住宅は、約8割が木造で建てられています。
海外から称賛され、こういった誇り高い技術が日本建築にはあり、これだけ木造の家が建てられているにも関わらず実際の家づくりは、そのほとんどが工業製品です。
古民家のように技術の詰まった家は、今はほとんど建てられないのが現状で、大工職人だけでなく、左官職人も屋根職人も技術を生かせる場がありません。
しかも、今はそういった先人から残された知識が人々から失われつつあって、快適に暮らしたい・長持ちする家を建てたいと思いながら、最良の暮らし方を選べていないことが残念なことです。
建築技術を失うことは、その土地の材を適切に管理し、適切に使い、適切に暮らす循環が失われるということです。
私たちの住む温暖湿潤気候での暮らしの成り立ちをきちんと理解すれば、思っていたよりもクリアな視界が開かれるものだと思います。
知って住むことは、私たちの徳に繋がるものです。
今まさに住教育が注目されるときだと思います。
投稿者プロフィール
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2015年より住育学校福岡第一校を開講。家を建てよう・家を持ちたいと思う消費者に住まいの「本当のコト」を伝えている。また住育コンシェルジュとして、住まい手の求める造り手との架け橋を行なっている。
昨今では、空き家の利活用や発生抑制に向けて、地域でセミナーやファシリティトを行い、住教育の推進に力を入れて活動中。
一般社団法人住教育推進機構福岡支部長
一般社団法人全国古民家再生協会福岡第一支部会員
古民家鑑定士
古民家ツーリズムまちづくりプランナー
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