一般的にいう解体とは殆どは廃棄処分を前提に壊されることを解体と言います。解体されてる現場を見ることがあるかと思いますが多くが大型機械でバリバリ壊されます。そしてその材は産廃として処分されます。朽ちてどうしようもない家は解体されるのもやむを得ないのは理解出来るかと思いますが、もしまだまだ住うには十分住める家もあるのです。

 

見るからに日本建築の象徴と思わせるような家が単に古いからという理由で廃棄解体されるとなるとどう思いますか…

持ち主の方の事情があるのも然りなんですが基本的に古い日本建築は地域材で造られているものなんです。だからどうっかと言われれば一口にどうって言うには長い話になるのですが、わかりやすくいうと今の住まいは多くが工業製品が使われて造られてます。

しかしながら以前の建物は地域材、それも自然乾燥材で大工職人が一本いっぽん墨付けを行い癖を読み取り適材適所に使い分けたものです。もっとわかりやすくいうと長持ちする家造りをしてました。

今の生活スタイルにそぐわないからというだけで廃棄解体処分されるとなると実に勿体ないものです。そしてまだまだ使える材があるのです。ならば活かす事も大事なことだと思います。木は経年変化で強度が増すという性質がありますが全ての材がそうであるとはいえません。自然乾燥材だと経年変化で強度が増すものですが、今の住まいは強制的に乾燥させた材が殆どだといえます。そういう材は強度的には長持ちしないのです。

たかが解体されど解体

日本の気候風土に合った材はやはり環境保護の観点からも再利用すべきだと思います。

 

投稿者プロフィール

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井上 静夫
井上建築 代表
一般社団法人福岡県古民家再生協会 代表
資格: 二級建築士、危険度判定士、伝統資財施工士、古民家鑑定士1級
経歴: 小・中学校卒業後、大工修行に入り6年後独立する
座右の銘: 継続は力なり
尊敬する人: 宮大工の西岡常一棟梁
尊敬する理由: 大工としての心意気が好きだから
特技: 剣道
category:建築知識,文化・伝統,木材,環境,雑学  |    |  2021.09.30

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